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** 活動報告 **
★ コロナ禍での村の状況

ネパールでも、他国同様に新型コロナウイルス感染症の流行で多数の国民が亡くなりました。2020年に世界的に拡大して以来、ネパール政府はロックダウンや行動制限等の感染症拡大防止策を実施し、2021年3月には感染者数が減少しました。しかし隣国インドの感染症再拡大の余波を受け、1日当たりの感染者数が8千人を超えた5月をピークに、4月から7月まで感染者数が激増しました。再度の感染症拡大防止策により現在では1日平均約200人の新規感染者数まで減少し、ピーク時5月の2%となりました。これまでの感染者は827万人、死者11,600人と報告されています(ロイター調べ)。

現在までサッレ村での感染は発生していません。感染症拡大防止策により、バル・ピパル学校も2021年4月~7月は休校になりました。また、村人達はマスクを着用し、学生達も通学時のマスク着用が義務付けられました。ここ最近は、マスクを着用していたりしていなかったりという状況です。

【 1 】バル・ピパル学校 第10・11回目の全国統一試験(SEE)について


毎年3月は、10年生卒業後に受験するSecondary Education Examination(中等教育試験)という全国統一試験が行われますが、2020年と2021年は新型コロナウイルス感染症の流行により試験は行われませんでした。その代わりにネパールの文部省は、各学校の年度末試験の結果を全国統一試験の結果としました。

今回は各学校が独自で評価しているため、実際に行われる全国統一試験と比べて評価が甘くなっています。それにより、これまでよりも良い結果となりました。
 
  表1 全国統一試験(SEE)結果


【 2 】法人の支援事業

( 1 ) 学用品支援事業・・・就学生へ文具品の寄与

教育環境を充実させるために学校に教材や遊具を寄与しています。

毎年5月頃の学年開始時期に、年間に必要な文具品をバル・ピパル学校の全生徒に寄与しています。就学生1人に寄与する文具は鉛筆、消しゴム、ノート各種、ボールペン及び換芯、万年筆及びインク等です。2019年度は153名、2020年度は155名でした(表2)。今回は生徒数が少し増えています。
   
 
 
( 2 ) 奨学資金支援事業・・・奨学生の決定及び奨学金寄与

優秀な学生を育てるために学年で成績優秀な児童に奨学金を寄与しています。

対象の学校はサッレ村とその周辺で一番近い2校です。2019年度は52名の優秀な学生に奨学金が寄与されましたが、2020年度はコロナ禍のため支給は行われませんでした(表3)。奨学金設定額は表4・5の通りです。コロナ禍前の2019年は、例年通りこの3校に現地法人のバル・ピパル奨学財団から招待状を送り、バル・ピパル学校で奨学金と賞状の授与式が行われましたが、2020年は行われませんでした。

写真は、2019年8月に開催された授与式の様子です。この年は理事長のリジャルも出席しました。村々から奨学生達、代表教師1人と父母がサッレ村に集まり、祝いました。将来、資金が増えれば再び対象校の数を増やしたいと思います。
 
 
  
授与式の様子(2019年8月)
 
  ( 3 ) 識字率向上支援事業・・・婦人会活動支援

住民全体の教育レベル向上のために成人(特に女性)も奨学支援の対象としています。
2018年度から、この事業の一環として婦人会活動支援を始めました。婦人会は女性の意見を反映させようと村の女性達から自発的に発足された組織で、村の問題点の話し合い、会費積立金による相互援助などを行っています。その中で、国語や算数の勉強会の支援を行い始めましたが、英語を追加しようとした段階で新型コロナウイルスの流行により勉強会自体が一時休止となってしまいました。現在は再開について検討中です。

株式会社アミナコレクション様のご支援による婦人会集会場の建設とその後の活用内容

ネパール大地震後に「Pray for Nepal(ネパールのために祈る)」というプロジェクトでネパールの村々をご支援されている神奈川県横浜市のアミナコレクション様のご支援で、2019年5月に学校の敷地内に集会場が建設されました。現在は、婦人会を含め下記の6つの会が集会場を活用しています。他にもティーズ(女性の祭り)の休憩場や集団検診の会場としても利用されています。

① 婦人会 24名(女性のみ) … 毎月集会で村の問題点を話し合う、月会費積立金(100ルピー)で相互援助
② 集団検診活動の会32名(男女) … 毎月役所が村で行う集団検診の運営補助、月会費積立金(50ルピー)で相互援助
③ 母親の会 31名(既婚女性のみ) … 毎月集会で問題点を話し合う、月会費積立金(100ルピー)で相互援助
④ 相互援助の会 34名(主に男性) … 毎月集会で村の問題点を話し合う、月会費積立金(105ルピー)で相互援助
⑤ 農業の会18名(男女) … 毎月集会で村の農業の問題点を話し合う、月会費積立金(100ルピー) で相互援助
⑥ ティハール祭の会 村人全員… 3ヶ月おきに集会、ティハール祭(光の祭り)に各家をまわって歌や踊りを披露し食物や金銭を受取る、集まった金銭は祭り用の楽器などの維持費として使用する他に村人に貸して援助する
※援助金は、返済までに全て月2%の利子がつきます
 
  ( 4 ) 書籍購入支援事業・・・書籍の購入

住民に国内外の情報や専門知識を提供するために絵本・技術書等を寄与しています。

図書館の設立後、2014年度まで予算を増やして書籍数を充実させてきたため、それ以後は購入が減少し2019・2020年度の決算額も少なくなっていますが、参考書を借りる学生達や小説を読みたい村の住民にも自由に貸し出し、大変役に立っています。
 
  ( 5 ) 図書館設立支援事業・・・図書館の運営

住民が教育に触れる機会を得られるように10年間積立を行い、2013年に耐震の図書館を設立しました。
現在約3,900冊の本が揃い充実しています。貸出期間は3日間です。現在はパソコンやプロジェクター、DVD、インターネット等を利用したEティーチングの授業も行われています。また、「創造」という科目で1~6年生が毎日好きな本を読んだり書き方を学んでいます。
 
 
( 6 ) 学校運営支援事業①・・・教職員の給与支援

教育レベル向上のために学校教師の雇用資金を援助しています。

バル・ピパル学校では現在、合計14名の職員と1名の用務員、新たにバス運行員2名を雇用しています。この中で、政府から給与が支給される職員枠は以前より1名増えて12名(表7の1~10番、14・15番)です。残りの3名(表7の11~13番)については、日本の皆様からの奨学基金から給与が全額支払われています。また、上記12名のうち3名は、政府が支給する給与の対象学年よりも高学年を担当しているため、不足分は現地寄付・日本の皆様からの奨学基金で補っています。

政府からの給与対象になる教員枠は、以前よりも増え助かっています。しかし、政府が給付する教職員の給与は国の物価上昇に伴い昇給する一方、学校が奨学基金から支給している教職員の給与は、同じ様に増額することは難しく、そのことがずっと課題となっています。また、担当する学年数が高いほど給与も高額になります(表6)。
  
 




6-1:奥村寛道様によるスクールバスの購入費用と運営費のご支援


以前より、バル・ピパル学校の生徒数の減少は深刻な問題となっています。この傾向は他の村の学校でも同様で、理由としては一世帯当たりの子供数が減少していることです。また、父親が海外に出稼ぎに行っている家庭では金銭的に少し余裕がでて、不便な村を離れたり、子供だけ都市部の私立学校に行かせたりしています。生徒数が少なくなると、政府から給与が支給される職員枠を減らされたり、学校が廃校や他の村の学校と合併される場合があります。もし地元の村から学校が無くなれば、また以前のように近隣の村まで長時間かけて徒歩通学する状態に戻ってしまいます

その対策として、村人や学校運営委員会からはバル・ピパル学校の生徒数を増やすためにスクールバスの導入の要望がありました。バスがあれば、近隣の村々から小さな生徒達も通学ができます。今より生徒数が増えることで、政府から給与が支給される職員数も増えます。

この要望について校舎再建をご支援して下さった奥村寛道氏に相談した結果、スクールバスの購入費用と運営費について250万円のご支援を頂きました。200万ルピーで座席が35席あるインド製の中古の大型バスを購入しました。残りの資金は役所への登録費、保険代、ガソリン代、運転手と車掌の給料などに使用します。運転手は中東や国内の長距離バスの運転経験者で、サッレ村出身者です。本人は地元で仕事をしたいと考えていたので、ちょうど良いタイミングで経験豊富な運転手を雇用することができました。車掌はサッレ村の住民の中から希望者を募って面談で決まりました。

雨期で道路補修が完了していない間、このバスは首都カトマンズとダディン郡ランプールベシ(Rampur Beshi,Bonkotghat,Dhading)を結ぶ道路をローカルバスとして運行し、そこで得られた収入は現地の奨学財団で積み立てる計画でしたが、実際にはコロナの影響により利用客が少なく収益はほとんどありませんでした。

2021年10月に道路補修が終わり、スクールバスは登校と下校時にサッレ村→ラマスタン村→トドケ村→サッレ村のルートを往復80分で運行しています。片道(サッレ村~ラマスタン村)が11.5キロ、5~6リットルのガソリンを消費します。バンカルカ村からも学生が途中乗車してきます。現在は最大55名の生徒が利用中です。2021年は年度の途中ということやコロナの影響で増加人数はまだ少ないですが、来年からはスクールバス導入の情報が知れ渡り、もっと増加が見込まれます。通学が楽になり時間も短縮された学生達は、本当に毎日楽しくバスで通学しています。奥村氏には度重なるご支援をして頂き感謝申し上げます。誠に有難うございました。

※ネパールでは通学の指定区域はないため、学生は行きたい学校を自由に選べます
※バスの運転手と車掌の給料は、上記の表7の通りです



6-2:株式会社アミナコレクション様による教員3名の給与のご支援

識字率向上支援事業で、集会場の建設をご支援下さったアミナコレクション様には、2018年7月から2020年3月まで3名の教員の給与をご支援頂きました。その後、2020年4月から2021年3月までの1年間も3名の教員の給与(Kanchhi Maya Gurung, Kopila Gurung, Deepak Thapa Magar)をご支援下さることになり、474,000円のご寄付を頂きました。なお、理科担当のDeepak Thapa Magar氏は、学校側が政府から給与が支給される公的試験に合格した教師を雇用することになったため、2021年3月末に退職しました。

このご支援も「Pray for Nepal(ネパールのために祈る)」というプロジェクトによるものです。アミナコレクション様にはこの度も給与のご支援を頂き、大変感謝しております。誠に有難うございました。

6-3:学校給食継続のご支援

2017年5月から神奈川県伊勢原市の梅宮氏のご寄付で給食が再開され、その後も神奈川県小田原市のアイエス物流様のご寄付で継続が可能となりました。2019年5月からは日本の皆様からのご寄付で1年間続けてきました。2020年5月からは新型コロナウイルス感染症の流行により休校の多い日が続きましたが、2021年8月からは平常通りとなりました。そして、校舎再建をご支援して下さった神奈川県相模原市の奥村寛道氏から、給食の継続のために50万円をご寄付頂きました。おかげ様で学校の再開に合わせて給食も再開することができました。誠に有難うございました。



※ライスプディング…米を砂糖と牛乳で煮たお粥のようなもの 
※焼き飯…ウコン(ターメリック)の炒飯
※チュウラ…米を蒸して平たく潰して乾燥させたもの 
※ネパールの一般的な学校では、土曜日は休日、金曜日は半日のため給食は無し
※ネパールの食事習慣は、朝晩に2食、昼間に軽食
 
【 3 】現地の非営利活動法人パル・ピパル奨学財団へのご支援

「バル・ピパル奨学財団」はネパール政府登録の現地法人で、サッレ村とその周辺の村民のボランティアによって設立されました。現在は7名で活動しています。私達が支援事業を行う際の現地の受け皿であり、日本からのご寄付金の管理・運営を行っています。代表者が2019年1月に亡くなり、新しい代表はBhaktta Bahadur Rijalです。

これまで、複数のご支援者様からバル・ピパル奨学財団へ直接のご寄付・ご支援を下記の通り頂いています。
 
①賃貸建物の売却による教員の学校と学習塾の給与支援 

バル・ピパル学校が学用品・奨学資金支援で自立することを目的に、2014年に神奈川県横浜市のサロン・ド・アサミ代表の石井氏からのご寄付720万円で、パル・ピパル奨学財団名義でカトマンズ郊外の土地(100㎡)に3階建9部屋の賃貸建物を建設しました。当初は賃貸収入で奨学支援をしていましたが、教職員の給与支援で資金面に困難な状況が起き、最終的に建物を売却して給与に充てることになりました。

2017年1月に現地バル・ピパル奨学財団と買主が直接契約をし、利息込の価格650万ネパールルピー(約650万円)を、毎年65万ルピーずつ10年間かけて支払われることになりました。年65万ルピーのうち、42万2千ルピーで下記4名の教員が学校の給与支援、残りの22万8千ルピーで6名の教員が学習塾の給与支援を受けています。6名は、Deepak氏 (8・10年生/理科)、Ganesh氏(9年生/理科)、Chameli氏(9年生/数学)、Kushal氏(8・10年生/数学)、 Bhim氏(9・10年生/英語)、Tara氏(8年生/英語)です。なお、Kopila Shrestha氏は2020年に結婚を機に退職、また学校が政府から給与が支給される1-5年生の教師を2名雇用することになったため、Ganga Bahadur Kuwar氏とBal Kumari Shrestha氏は2021年3月に退職しました。

学習塾は、校内で期末試験や全国統一試験(SEE)前の2~5ヶ月間に週5回、朝夕2時間半ずつ臨時に設けられ、8~10年生が英・理・数の3科目を無料で学ぶことができます。教員に支払われる1ヶ月の指導料は8年生が6千ルピー、9・10年生は7千ルピーです。遠方に住む9・10年生には寮を無料で提供し、早朝の塾に参加できるよう支援しています。

新型コロナウイルスの流行により2021年4月から8月は休校のため寮は一時閉鎖していましたが、学習塾は休校時期と重ならなかったため、ほぼ通常通り行われました。石井氏のご支援で、現在も教員への給与支援と学習塾での指導支援を継続することができています。誠に有難うございます。
 
【 4 】 広報活動
① ・・・「京都中ロータリークラブ」による道路幅拡張工事のご支援


サッレ村に車道の無かった時代は、両隣との村を結ぶ4キロの道の移動手段は徒歩だけでした。そこへ京都中ロータリークラブ(RC)様が道路建設のご支援をして下さり、5年の建設期間を経て幅4m、4キロの道路が完成したのは2010年のことでした。おかげ様で貸切バス、ジープ、バイク等が通り、サッレ村や近隣の村の住民の移動や病人の搬送が劇的に楽になっただけでなく、2015年の大地震直後には早くから支援物資を車で受け取ることができました。この道路は村人達から「京都ロード」と呼ばれ親しまれています。

その後、ネパール政府が2019年から対象区域(11番地)の道路幅を4mから7mへ拡張する工事を始めることになりました。京都ロードの4キロのうち約0.5キロの区間は非対象区域(13番地)であるため政府に0.5キロの区間の工事も願い入れましたが叶いませんでした。代わりに、この0.5キロの道路とそれに続く対象区域側の0.5キロも自己負担すれば、工事はサッレ村側から開始してくれると提案されました。京都中RCの皆様に相談をしたところ、この合計1キロの道路幅の拡張工事に50万円のご支援をして下さることになりました。

2020年1月から工事が行われ、同年2月に完成しました。政府によるサッレ村内の京都ロードの工事も現在は完成しました。なお、どちらも舗装は高額になるため行われていません。拡張工事により以前はトラックやバスが対向車とすれ違うための広い地点が少なかったのですが、現在ではほとんどの場所で可能になりました。側溝工事も行い雨期の排水トラブルが少なくなりました。おかげ様で、村では車やバイクが安全に運行することができるようになりました。また、スクールバスの運行ルートは京都ロードの学校付近を出発し今回ご支援があった区域を通って幹線道路に入るため、拡張工事がなければスクールバスの導入は実現しませんでした。

このたびも京都中RC様のご支援で、住民や学生達の生活の質が向上しました。本当に有難うございました。

 
 

② ・・・「フィリピンの友を援ける会」による教育ご支援と今後について


2021年になり、「フィリピンの友を援ける会」の副理事長である石田和子氏から会の活動が終了し解散されたというご報告を頂きました。会の皆様には、私達がNPO法人を設立する以前からバル・ピパル学校の土地の購入と建設、教師の給与、生徒の給食・制服・鞄の支給、塾の運営、脱穀機の施設などの費用のご支援を頂いてきました。学年数が増えるごとに、それに伴う費用も増え、今日までのご寄付は合計700万円以上にもなりました。

会のご支援でバル・ピパル学校の運営が始まり、継続して多くの生徒に学びの機会を与えることができました。会の皆様には息の長いご支援を頂きまして、本当に有難うございました。今後はネパールの教育支援活動等にご興味をお持ちの元会員様に、当法人をご支援して頂けますようお願いして行きたいと思います。
【 4 】寄付金収入及び正会員数

2019年度(第17期)・2020年度(第18期)の寄付収入は、下記の「事業収支計算書」の通りです。
2019年度は、7つの団体様と21名様より880,266円、のご寄付がありました。個人の皆様を始め、飛鳥学院様、アミナコレクション様、中川ふれあいフェスタ様、西村酒店様、フィリピンの友を援ける会様、山口動物病院様、栗原写真事務所様にはご協力頂き、誠に有難うございました。

2020年度は、5つの団体様と22名様より1,463,780円、のご寄付がありました。個人の皆様を始め、飛鳥学院様、アミナコレクション様、西村酒店様、山口動物病院様、五和電気工業様にはご協力頂き、誠に有難うございました。

正会員数は両年度とも16名でした。いつもご支援頂き、心よりお礼申し上げます。
なお、個人のご寄付者様につきましてはご氏名の公表を希望されない方もいらっしゃるため、掲載は控えさせて頂いております。どうぞ、ご了承下さい。



~ ご支援のお願いと運動場建設の計画について ~

このたびは、以前にも増して事業報告書のお届けが遅くなり申し訳ありませんでした。今回の事業報告書も2019年度と2020年度の合併号とさせて頂きました。近況報告もなくコロナ禍にも関わらず、皆様からは変わらぬご支援を頂きまして誠に有難うございました。おかげ様で活動を継続することができました。

前回の事業報告書では学校運営の課題について触れましたが、その一つである学生数増加のための環境作りにつきましては、給食や学習塾の継続、またスクールバスの運行が可能となり近隣の村々からの学生数が増えつつあります。一方、ネパールの物価上昇に伴う教職員の給与賃上げにつきましては、バル・ピパル学校側が負担する給与は年間約115万円となっており大きな課題のままですが、政府から給与が支給される職員枠は以前より1名増えて12名となり良いニュースでした。今後も、この教員枠を増やすために学生数をもっと増やして行きたいと考えています。

サッレ村では、バル・ピパル学校の学生数を増やすための新しい提案として、学校から近い場所に広い公用地がありその一部(35m✕70m)を運動場にする計画があります。バル・ピパル学校内の運動場は朝礼の利用には問題ありませんが、サッカーやバレーボール等の試合では広さが十分ではありません。

運動場の土地使用料はかかりませんが斜面を平らに整備する必要があり日本円で約100万円かかります。村では計画のための新たな委員会を立ち上げ、村の有志達で資金を集めているところです。現在のところ10万円ほど集まりネパール政府にも助成金を申し入れていますが、予算の関係で近々の助成は難しいそうです。運動場では学生達や村人達が利用する他にも、学校同士・村同士の試合、ダンス大会もできます。資金に余裕があれば、コートネット、器具庫、ベンチ、水飲み場も設置することが理想ですが、その場合はさらに約100万円必要になります。運動場建設が実現し設備が充実されることでバル・ピパル学校に通学したい学生も増えると期待されます。そのため当法人もこの活動の支援を検討しています。もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、ご支援をどうぞ宜しくお願い致します。

問題解消に取り組みながら、いつの日か学校の自立運営が可能になる時まで支援を続けたいと願っています。2021年度の事業報告書こそは、早い時期にお届けできるように致します。これからも、皆様のご支援を宜しくお願い申し上げます。






(学校でバレーボール)
(PDF形式でご覧になれます)
事業報告(2003年度)第1号
事業報告(2004年度)第2号
事業報告(2005年度)第3号
事業報告(2006年度)第4号
事業報告(2007年度)第5号
事業報告(2008年度)第6号
事業報告(2009年度)第7号
事業報告(2010年度)第8号
事業報告(2011年度)第9号
事業報告(2012年度)第10号
事業報告(2013・2014年度)第11号
クラウドファンディング校舎建設報告書(2017年)
事業報告(2015・2016年度)第12号
2教室再建報告(2017年)
8教室再建報告(2019年)
 
事業報告(2017・2018年度)第13号
事業報告(2019・2020年度)第14号
 
特定非営利活動法人 バル・ピパル奨学基金